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えのもと整形外科は地域に根ざし、地域の皆様に信頼される医療を目指します。

TEL. 095-881-0012

〒851-2102 長崎県西彼杵郡時津町浜田郷756-1



当院の院長先生のコラムが長崎新聞に掲載されました。

●生命予後脅かす大腿骨頸部骨折●

骨粗しょう症はちょっとしたことで骨折しやすくなる骨の強度が低下する病気です。




これに起因した骨折で股関節の付け根の部分を折ると歩行能力は著しく損なわれます。



これが
大腿骨頚部骨折(だいたいこつけいぶ骨折)です。

最近この骨折は増え続けており、全国での1年間の発生数は1987年に約5万3000人だったのが、2007年には約14万8000人と、20年間で2.8倍に増加しています。その発生率は年齢が高くなるほど上昇し、
女性は男性の約3倍の頻度で発生しています。



「高齢者が転んで立てなくなった」と聞いた際、われわれ医師はまず大腿骨頚部骨折を疑います。それはこの骨折の9割が転倒をきっかけに発生するからです。大腿骨頚部を骨折すると股関節に強い痛みが生じ、自分では立ち上がれなくなります。また骨折部を触ったり、足を動かすと相当な痛みが出現します。たとえ最初は歩けたとしても股関節の痛みが続く場合は医師の診察を受けることお勧めします。

この骨折はほとんどの場合初回
レントゲン検査で診断がつきますが、時には骨折部でのズレがなく1,2週間後のレントゲン検査で判明したり、最近は磁気共鳴画像装置(MRI)によって骨折の有無を調べる場合もあります。



大腿骨頚部骨折はもともと骨がもろくなって発生している上に、立つことで折れた部分に負荷がかかるため、骨がくっつきにくいと言われています。手術を行わない保存療法では骨癒合(骨がくっつくこと)まで長期間かかったり、癒合しなかったりするため、90%以上の方に手術が行われます。



手術は金属を使って骨折をくっつける骨接合術と骨折した大腿骨頭を金属で置き換える人工物置換術がありますが、骨折のタイプにより医師の判断でいずれかの方法が選択されます。合併症を防ぐため、手術後は、1日も早く歩行能力を取り戻す訓練を始める必要があります。

リハビリ期間は受傷前の身体能力によりますので、入院期間は人によって異なります。受傷前元気に歩いていた方は1ヵ月以内で自宅に戻ることも可能です。もともと何らかの歩行障害があった方は長期のリハビリが必要なため、手術の1,2週間後にはリハビリ専門病院に移ることになります。この場合、術後
2,3ヵ月で自宅に戻ることを目標とします。



こうした治療体系になってますが、大腿骨頚部骨折の方の
50%以上が元の歩行能力を取り戻せないのが現状です。年間約2万6000人の方が自由な外出ができなくなり、約2万人の方が要介護になるという推計があります。さらに残念なのは大腿骨頚部骨折の患者さんの10%以上が、骨折して1年以内に死亡したという報告があることです。

このようにこの大腿骨頚部骨折をおこすこと自体が生命予後をおびやかすことになります。したがって骨折を予防しなければなりません。骨粗しょう症を改善したり、歩行補助具を利用したりする必要があります。

近年は
骨粗しょう症の新薬も多数開発されています。ぜひ、ご自分の骨密度(骨の強度の指標)を測り、適切な治療受けるべく近隣の医師にご相談ください。

(長崎県西彼杵郡時津町浜田郷 えのもと整形外科院長 榎本寛)


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